あまいあたまの王様 (ワタアーメ二世)  
   
  二代目/2017年制作  
 
 
  あま〜いものが大好きな王様。
城中のあまいものは王様のもの。 国中のあまいものもひとりりじめ。
こどものおやつも取り上げる。 ケーキも、飴も、クッキーも。
あま〜いものが大好きな王様。
世界中のあま〜いものをお取り寄せ。 世界で一番あまいものをお取り寄せ。
あま〜いものが大好きな王様。
それでも、満足できません。
ある日、王様の頭から白いものが・・、
その白いものを「パクリッ」 「んっ!今までで、一番あまい〜!!!」
一番あまいものは、王様の頭の中でした。
おしまい
 
 

 
 

 
 

 
 
  (photo)2017年 Ryuギャラリー あしざわまさひと作品展『町外れの飲食店』より  
 
 
 
 
 
  二代目あまい頭の王様(動画 )  
   
 
 
 
 
 
  あまいあたまの王様 (ワタアーメ王)  
   
 
  初代/2001年制作  
 
 
  あまいもの(わたアメ)があたまのなかで作られている王様です。脳みそあまあま人間です。  
     
 

 
   
  (photo)『アートセッション2001』より ※オレンジポットにてパフォーマンス  
 
 
  【あまいあたまの王様使用説明書】  
 
 
わたあめ
からっぽなあたま
 
 
 
 
くるくるヘアー
くるくるひげ
 
 
  頭の中でわたがしをつくります。スイッチを入れ、王様の頭の中をあたためます。砂糖はグラニュー糖を使用します。あたたまってきたら、砂糖をあたまに入れます。しばらくすると、脳内(王冠内)に白い糸状ののものがへばりついてきます。すかさず割り箸を差し込み、ぐるぐると円を描くようにまわします。割り箸の先のわたがしが丸くなってきたら完成です。  
 
 
  『あまいあたまの王様』 さく/あしざわまさひと
     
  むかし あるくにに あまいものが だいすきな 王さまが いました。

王さまは くにじゅうの  あまいものを ひとりじめに していました。 ある日 王さまは いつものように あまいものを  たべていると ひとりの ちゅうじつなけらいが やってきて 言いました。

「王さま、もうすぐクリスマスです、国じゅうの子どもたちにおかしをわけてください。」

王さまは 口にしていた あまいものをたべるのをやめ 言いました。

「んー、んー、だめじゃ。」

王さまは あまいものを また たべはじめました。

その日のよる 王さまは ねていると ゆめをみました。

白いくもにのった 白いひげを たくわえた  ろうじんが 言いました。

「おまえは、あまいものを、ひとりじめしているそうじゃな。いままでたべたあまいものを、国じゅうの子どもたちに、わけあたえるのじゃ。よいな。」 

そのろうじんは しろいくもになりました。王さまは とびおきました。

「ゆ、ゆめか?」

王さまは ほっとして また ねてしまいました。

つぎの日のあさ 王さまは いつもどおり あまいものを口にすると とつぜん 王さまはにんぎょうになってしまいました。 まほうで にんぎょうに かえられてしまったのです。

すると ゆめにでてきた ろうじんが あらわれました。

「クリスマスまでに、国じゅうのこどもたちに、しろのそうこにある、王さまのあまいものを、すべてわけあたえなさい。そうすれば、王はもとにもどるじゃろう。」

そう言うと ろうじんは きえてしまいました。
 
さあたいへんです。けらいたちは おうさまを たすけるため 国じゅうの子どもたちを お城に しょうたいしまいた。 

けらいたちは あまいものを そうこに とりにいくと なんと そうこは からっぽでした。 けらいたちは あわてました。

「どうすれば」「いそいでつくろう。」
「くにじゅうのおかしやをよべ。」「王さまを、たすけないと」

けらいたちは ひっしです。

すると なんと にんぎょうになった 王さまの あたまから しろい わたあめが でてきました。 けらいたちは そのわたあめを 国じゅうの 子どもたちに くばりました。

そしてさい ごのひとりに わたあめが くばられると にんぎょうだった 王さまは にんげんに もどりました。

王さまは なみだを ながしながら いいました。

「わしのわたあめは、ないのか?」



                              おしまい



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(c)あしざわまさひと アトリエパセリ